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会計システム入替時のポイント:段階導入のすすめ

 

「上場を目指して内部統制のとれたシステムで運用したいが、移行する時間がない」「上長は今期末までにシステムを入れ替えると言うけれど間に合わない」。このような経験をされた方は少なからずいるのではないでしょうか。

 

システムの入れ替えには、業務フローの見直しや他システムとの連携など、そのステップは多く複雑で、多大な時間と労力が掛かります。

しかし、担当者の負担を軽減しながらシステムを入れ替えることが不可能ということはありません。「課題の優先度」と「業務フローへの影響」を考慮しながら段階的に作業を進めることで、最小限の負担での導入が可能です。

 

今回は、当社が導入をサポートした事例をもとに会計システム入替時のポイントについてお話しします。

 

 

上場を目指し、内部統制の取れた運用を行いたい

 

都内でサービス業を営む売上高数億円の中小企業のお客様から「2年後のIPOを目指し、財務会計、販売管理システムを入れ替え、内部統制の取れた運用をしたい」というご要望をいただきました。

 

 

 

 

当時利用していた会計システムでは、過去の仕訳データをすぐに修正出来てしまい、改ざん防止が効かないため、上場会社に求められる内部統制に対応したシステムではありませんでした。また、ワークフローシステムにより承認された売上情報は、その後、経理担当者が会計システムへ売上仕訳を手入力する一方、単独で稼働している請求書発行システムへも個別に転記する必要がありました。その他にも、海外取引やサービス別の損益はExcel管理をしていました。つまり、それぞれのシステムが全く連携していないため、何度も転記を繰り返し、非効率でミスも発生しやすい運用をしていました。

 

 

 

 

 

そこで、内部統制に対応した会計システムとして「勘定奉行VERP10」、販売管理システムは「商奉行VERP10」をご提案しました。ポイントは、販売管理システム(CRM)で承認された売上データを元に、売上計上→請求書発行→入金消込→仕訳入力まで一気通貫にデータ処理を行うこと、そして承認され確定したデータは後で編集・削除等が出来ないよう統制を効かせることの2つでした。

 

 

短期間で導入をすすめたい

 

どんな会社でも「購入したシステムはすぐに動かしたい」と思うものです。このお客様も例外ではなく、「半年後から会計と販売管理を稼働させたい」というご要望でした。しかし、販売管理システムなどは会社全体の業務フローへの影響が大きいため、「図2のような理想形を描いてみたものの、はたして本当に業務フローの通りに運用できるのか?」という具合で、部門横断的に業務関係者の詳細なフローの検討が必要です。社員数が少ないお客様なので、担当者は本来業務をしながらの作業となるため、進行が困難となることが予想されました。

 

 

提案のポイント

 

そこで我々は、「課題の優先度」と「業務フローへの影響」という2つのポイントから検討した上で、段階導入を提案させていただきました。

 

 

 

 

第1フェーズ:会計システムの入れ替え

今回の導入目的である「内部統制」をすぐに実現できるところから最初に着手しました。「勘定奉行VERP10」は、仕訳承認や締め機能などがあるため、すぐに「過去データの改ざん防止」という効果を発揮することができます。

一方、勘定科目の体系などは現在のシステムの体系をそのまま維持することにしました。システムの入れ替えの際は、「あるべき勘定科目体系に見直したい」と思ってしまうものですが、検討の時間が掛かる上、変化に対応するために経理担当者への負担が増えてしまいます。

期中ということもあり、勘定科目などの中身は変えずに器であるシステムだけを入れ替えることで、仕訳入力や決算は今まで同様のルールで使えるようにしました。

それでも本来業務と並行して導入準備を進めるのは大変なので、事前に当社側で現状の会計システムの仕様を検証して移行手順書を作成しました。お客様の負担軽減を支援することで、約2か月の短期間で稼働させることができ、お客様も満足げでした。やはり、小さな成功体験をすぐに積むことができる方がお客様のシステム導入に対するモチベーションも高く保つことができます。

 

 

第2フェーズ:勘定科目体系の見直しとプロジェクト管理会計の導入

第1フェーズ稼働後、翌会計年度の期首からの「あるべき勘定科目体系」への見直しを進めました。これは、上場に求められる適切な会計処理を実現するという目的に加え、会計システムの利便性を向上するという狙いがあります。それまでは、取引先ごとに存在していた売掛金や買掛金などの勘定科目は、「取引先マスタ」を利用することによりスリム化します。これにより、会計帳票なども分かりやすい勘定科目体系で出力することができます。

このお客様は、海外取引があるため、外貨はExcel管理、円貨は会計システム管理でした。そこで「外貨管理オプション」を導入することにより、円貨、外貨の両方の残高管理を勘定奉行内で行い、勘定科目のスリム化とExcel廃止を実現します。

また、このお客様はサービスごとの損益を重要な経営指標としてExcel管理しています。今回は「勘定奉行VERP10[個別原価管理編]」を導入したことにより、サービスを「プロジェクト」という管理単位として取り入れることにしました。これにより、売上と原価の期間損益、また未完成の仕掛残高を正確に把握することができるようになります。

第2フェーズはまだ道半ばですが、来期に向けて着実に準備を進めています。

 

 

第3フェーズ:販売管理システムの導入とCRMとの連携

前述の通り、会社の業務フローへの影響が大きく、検討に時間を要する販売管理システムは、第2フェーズ終了のタイミングでの着手を予定しています。

内部統制を実現するために、確定した売上データは後で編集や削除が出来ないようにすることや、売上や入金データを元に適切な仕訳までが一気通貫に作成できるよう機能設定を行います。また、「現在は請求書発行を営業部門が行っているが、今後はCRMでの売上確定までを営業部門で行い、請求書は商奉行を使って経理部門で一括発行するか?」など、業務担当者の見直しなども必要となってきます。

さらに、CRMと商奉行とのデータ連携のためには、取引先や商品、プロジェクトなどの主要マスタで必要とされる項目の慎重な検討、売上データを確実に連携するためのデータ変換プログラム開発の委託やテストなどもあります。このように、様々な関係者を巻き込んで多くの作業があるため半年ほどの導入期間を見込んでいます。

 

 

段階導入なら、アクタスにお任せください。

このように、多くのシステムを短期間で入れ替えることは負担が大きいため、課題の優先度と、業務フローへの影響を考えながら段階的導入を進めることが重要です。今回取り上げた話は、典型的な事例のひとつにすぎません。様々な状況で、どのように導入を進めるべきか、ご検討中のお客様は、お気軽にお問合せください。

 

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