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販売DXノーコードツールへの心構え

 昨今のDXトレンドにおける皆様の取り組み状況とその効果はいかがでしょうか?IT人材が社内にいなく先に進まない、DX推進部署を設けたが社内のまとまりが難しい、明確な目的やゴールが浮かばず費用対効果がイメージできない、など様々な障壁により頭を悩ませている企業様もまだまだ多くいるかと思います。

 

 会計システム業務及び周辺関連業務(経費精算・請求書の電子配信など)や給与計算業務及び周辺関連業務(給与明細配信・労務電子手続き・年末調整申告など)は市場に多くのSaaSサービスが存在しており社内のDX化が進みやすい分野かと思います。導入の社内負荷もそれほど高くなく、コストも明確、導入効果もイメージし易いのではないでしょうか。

 一方で販売管理システムは事業の根幹となる業務範囲は企業の独自性が強いこともあり、なかなかフィットするソリューションが見つからない事が見受けられます。

 

 そこで今回は独自業務にフィットが期待できる、ノーコードツールの導入について触れてみます。ノーコードツールはその名の通りコードを書かなくても業務アプリが作れるとても優れたツールです。

 

 ノーコードツールのメーカーサービス紹介ページでは「手軽」さや「高い柔軟性」を訴求ポイントとし導入の心理的ハードルを下げることで最大限の魅力をアピールしています。

 

 しかし要件を定めて設計を行い設定に進めて行くという手法は、大小難易度問わず従来のシステム開発同様に欠かせないプロセスとなっております。30日無料体験など一度触って検証し利用判断ができる点も手軽で魅力ですが、なかなか思うように検証が進まないものです

 

 

 それらの問題を解決する手段としましては、ベンダーが提供する有償の設定代行サービスをうまくそして正しく利用するという方法があります。設定代行は要件定義、設計、構築、テスト、導入とプロセスが分かれており全体をプロジェクト管理にて進めて行きます。

 

以下に2つの異なる導入手法の事例を挙げます。

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長期滞在型ホテル業の宿泊契約管理

 ひとつ目は長期滞在型ホテル業の宿泊契約管理としての導入事例です。Excelでの管理が属人化する前に仕組を入れたいというご要望からご相談を頂きました。初期投資はできるだけ抑え短納期であること、そして先々、様々な契約形態に柔軟に対応できるように自社で構築をできるようにしたいという明確なニーズがありノーコードツールの採用を頂きました。

 

 既にExcelによる管理を少しずつ始めていましたので大掛かりな要件定義や設計などは行わず現行のExcelと管理項目をそのままDB化しアジャイル型で構築を進めて行きました。現行のExcelで見積書や契約書、請求書などのフォーム出力をしていましたので帳票はそのまま既存のフォームを活用することで工数を削減することができました。

 

 申し込みから請求、契約、回収までのいくつものステータスを管理し、従来はシートの転記そして複雑な請求と回収ロジックに気を使いながら何度も人的チェック作業を行っていました。ノーコードツールによる業務の仕組化により二重入力する事無くデータがスムーズに流れ、人の目で何度も行っていた確認作業が不要となり業務タスクも大幅な改善が実現されました

 

 そして柔軟に宿泊のお客様の契約要望に安心して応えられるようになりサービス向上にも繋がりました。設定完了後のお客様引継ぎ時には設定の基本的レクチャーを行い以降お客様での簡易メンテナンスが行えるようにしてプロジェクトは終了致しました。

 

 

建設業の入札伺い~請求入金管理まで

 ふたつ目の事例は、工事監理業務を営まれている建設業のお客様の事例です。社内の入札伺いから始まる承認管理と落札後の契約管理、実行予算と発注管理、そして工事進捗と請求入金管理までの活用です。従前はExcelの申請文書を添付してワークフローシステムに乗せていたためデータの連携性や検索性の改善に大きな課題がありました。そして入札前、落札後の管理簿もExcelで作成されておりデータの連続性や手入力、手動メンテナンスによる信頼性の不安も指摘されていました。 

 

 導入は3つのフェーズに分けて段階的に導入し効果を確かめ進めて行く手法としました。フェーズ1は入札伺いの承認管理を弊社が要件定義、設計、設定まで全てを手がけました。フェーズ2の実行予算と発注管理では弊社が要件定義、設計まで行い、設定を弊社とお客様と作業分担を行い実施致しました。このフェーズ2でお客様が少しずつ手を動かす事でノーコードツール特性を掴んで行かれた事と思います。 

 

 そしてフェーズ3はこれから実行する最終フェーズです。フェーズ3は要件定義と設計まで弊社が行い、その設計書を元にお客様で全ての設定を行う最後のフェーズとなります。以降はお客様が実装したい機能を自ら要件定義の上、設定をされることを期待しています。また自走できるまでは弊社独自の導入後サポートにて伴走し自社で完結できるまでお繋ぎします

 

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 2つの事例は共に、標準の販売管理パッケージシステムでは叶う事のできない特殊業務を必要としていました。ニッチな業務ほどノーコードツールでの実現性に期待できる事と思います

 

 

 しかしノーコードツールを採用するにはいくつかの心構えがあります。

 

 まず、設定代行サービスは全ての要求実装をベンダーに委ねますと、せっかくのノーコードツールの良さが活かされません。それはあまり多くを求めず少しずつ稼働をさせながら自社の使いやすいように進化せることが大切です。それには、導入・稼働を迎えられた後、自社の人材にて自走ができるその様なゴールを掲げ目指す事が理想です。これはツールの「高い柔軟性」を享受するには、自分たちの手で継続して作り上げて行く向き合い方が大切ということです。

 

 次に、ノーコードツールはスクラッチ開発と違い、そのサービスのUI制限、仕様制限、機能制限、パフォーマンス制限等があります。慣れないとツールの選定時に見落としてしまう大切なポイントです。また要件定義において全てがクリアできない点も浮上して参ります。その場合は運用回避策やサービスプラン変更、オプション追加等の対応、他ツールとの連携、場合によっては諦め頂く部分もあります

 

 ノーコードツールの特性を理解して頂き是非、皆様の販売DXの候補となるツールとして検討してみてください。

 

 弊社アクタスITソリューションズでは 株式会社ラクス 様の楽楽販売 SCSK株式会社 様のCELF の導入相談を承っております。何をどう始めたら良いのか、、、その様な起点からでも丁寧にご相談をお請けいたします。

 

 

 

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