当社アクタスグループでは給与・社保アウトソーシング(BPO)のサービスを提供しています。
当社の事例を交えつつ、DX成功を実現していく、そのためのエッセンスを紹介します。
【DXとは】
まずDXという言葉の定義から、おさらいします。
経済産業省「DX 推進ガイドライン」 におけるDXの定義は、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」とあります。
DXは一足飛びに実現するものではなく、3段階のステップがあります。
【BPOサービス市場動向】
まずはBPOサービス市場動向の確認です。
矢野経済研究所の調べによると、人事・総務関連業務アウトソーシング市場は右肩上がりです。
人手不足や法改正がBPOニーズ拡大への追い風になっています。
・労働力人口の減少に伴う採用難、給与・社保知識のある人材が採用できない
・マイナンバー等の個人情報を取り扱うため、高度な安全管理措置への対応が必要となる
・HRテック、クラウドサービスの普及に伴い、BPOサービスのコストが低下した
従来は、少人数のスタートアップ企業や、コストメリットが大きい大手企業がBPOを利用する傾向にありましたが、100~1,000人程度の中堅・中小企業にも普及してきました。
【DXの3ステップで収益向上を目指す】
市場好調を好機ととらえ、収益向上につながる新しいサービスに作り変えるべく、アクタスは動き始めました。
業務改革には様々な手法がありますが、DXの3ステップに沿って活動することとしました。
①ステップ1:デジタイゼーション
給与・社保の手続きには様々な書類が関わりますが、代表的なものがマイナンバーです。
お客様の従業員からマイナンバーを収集し、安全に保管しなければならないことになりました。
書類のやりとりの場合は、従業員が通知カードやマイナンバーカードのコピーを人事部に提出、それをアクタスに転送する必要があります。物理的な手段での移動は手間もかかり、事故の危険性も高いです。
そこで、BPOでは従業員がスマホなどで写真を撮ってアップロードする、クラウドの仕組みを活用してマイナンバーデータを安全に収集・保管できるようにしました。
こうして、「書類のデジタル化」を実現しました。
②ステップ2:デジタライゼーション
顧客が増えるにつれ、業務の属人化、Excelの限界を感じる場面が増えてきました。
特に課題となっていたのが、
・お客様の従業員から入手する情報のフォーマットがまちまちで、正しい給与計算を円滑に行えないことがある
・お客様の従業員の社保手続きの進捗管理が正しく管理できないことがある
この2点で、業務プロセスから変革する必要があることは明らかでした。
当時、給与計算・社保手続きを正しく行えるパッケージソフトは導入していたのですが、弊社の課題を解決できるツールは当時存在しませんでした。
そのため、オーダーメイドでシステムを開発することとしました。外注せず、ノーコードツールを用いて内製しました。
顧客やユーザーの声を拾いながら継続的な機能UPを自分たちで進めることができる点を重視し、ノーコードツールを採用。
競争力の源泉に繋がる業務でしたので、機能面や速度面で競争優位性を確保でき、内製化して正解だったと評価しています。
さらに、RPAを導入して繰り返しの多い業務を自動化させました。2021年の実績で約1000時間の削減につながり、スタッフにはより働き甲斐のある仕事へシフトしてもらっています。
こうして、「業務プロセスのデジタル化」を実現しました。
③ステップ3:デジタルトランスフォーメーション
デジタルトランスフォーメーションを実現するためには、やはり意識改革や人材育成が大事になります。
BPOは継続サービスであり、お客様のビジネス環境が変化すれば、ニーズも変化していき、その変化に対応していかなければなりません。
「この機能を使えば対応できるんじゃない?」「ここを改良すればもっと業務が楽になるのでは?」
開発ができなくても、このシステムでどんなことが可能になるかが分かっていて、ピンとくる人材。
また実際に開発ができる人材をたくさん育成していくことで変革を加速し、競争優位を生み出していこうとしています。
ノーコードツールやRPAは、業務を理解しているスタッフが自分で手を動かして開発できると最も導入効果が高いです。
アクタスではITソリューションズの人材が伴走しながら、税務や労務のスタッフの育成をフォローしています。
この「伴走」というのが継続的な改善には重要、システムは一旦安定稼働してしまうと、落ち着いてしまいます。
改善のパワーが生まれにくく、なかなか自分たちだけで進めていくのは難しい。
定期的に進捗や課題を確認し、誰がいつまでに何をやるべきか、はっきりさせながら進めていくことが大事。
この伴走支援により人材を育成してきた結果、自分たちで多くの機能UPができるようになりました。
やり方が分かってくれば「これも改善できるのでは?」という発想につながってきます。
この小さな発想の積み重ねがDXへとつながります。
【まとめ】
・デジタライゼーション(業務プロセスのデジタル化)がポイント
・競争力の源泉につながる業務のデジタル化は内製化が望ましい
・開発人材だけでなく、ピンとくる人材をたくさん育成することが大事
・DXには時間が掛かるし、終わりがない、外部の伴走者の力も借りよう
解説動画を公開しております。併せてご覧ください。
アクタスはお客様のDX実現に向けた伴走支援をしています。ぜひご相談ください。