日本国内では2016年頃からRPA(Robotic Process Automation)という言葉が使われ始め、すぐに流行のITワードとなりました。
すでに多くの企業がRPAの導入検討を進めています。しかし一方で、「どんな業務でも自動化できるツール」という誤解も多く、プロジェクトが炎上しているケースが多くみられます。
そこで、本記事ではRPAの導入効果を最大化するために、導入時の注意点を説明していきます。
・RPAとは
RPAとは「Robotic Process Automation /ロボティック・プロセス・オートメーション」の略語です。人がパソコンで行うクリックやコピペなどの定型作業を、ルールエンジンなどの技術を備えたソフトウェアのロボットが代行する仕組みのことです。ロボットと言っても、一般的なソフトウェアとして動くものです。登録や参照、審査、判定、レポーティング系業務など適用領域は幅広く、人が行う定型作業はすべてこのRPAの対象となってくるのが特徴です。
・RPAブームの背景
世界的に見てもRPAは普及期を迎えていますが、実は日本はRPAの数が多い国の一つです。その理由は、少子高齢化に伴う労働力人口の減少や、働き方改革の要請などの社会的背景はもちろんありますが、RPAが日本企業における業務の仕組みに合っているからです。
欧米企業の場合、決まった仕組みに沿って業務を動かしていきます。そのため、現場にはいわゆる”職人技”のような運用は求められていません。対して日本企業は、現場の使い勝手に合わせてカスタマイズするのが一般的です。つまりどんなツールを導入しても、現場には属人的な業務が数多く残ってしまうことになります。この現場に残る属人的な業務を代行してくれるのがRPAです。
・RPAのメリット
RPA導入がもたらすメリットは多くあります。ここでは、代表的なものを3つ上げていきます。
【コスト削減】
RPAの適用によって従来のマンパワーに比べて25~50%のコスト削減が実現できると言われています。RPAによるロボットの導入と維持にかかるコストはたいていの場合、派遣のフルタイム従業員一人の月給の三分の一ほどで済みます。
【人的ミスの防止】
RPAの導入は、人為的なミスを減らせるというメリットもあります。人間が集中力を持続できる時間は限られており、特に繰り返し行う作業の場合は、問題が発生していてもそれに気づきにくくなるでしょう。一方、RPAは一度記録した作業を正確に再現してくれます。一定のルールに基づいて行われる作業では、RPAの導入によりミスを大きく減少させることができます。
【業務効率化、生産性向上】
RPAは、時間や曜日に関係なく、決められた日時であればいつでも作業を実行することができます。定型作業をRPAが担うことで、人間はより創造的な業務や属人性を求められる業務など、「人間にしかできない仕事」に集中できます。RPAと人間がそれぞれの能力に適した業務を実施できれば、最小限の人件費で売り上げ拡大を実現することが可能です。
・導入時の注意点
多くのメリットのあるRPAですが「期待ほどの効果が出ない」「意外にコストがかかる」といった声のほか、IT部門がロボットの存在を把握しきれていない、いわゆる“野良ロボット”が多発してしまう、といった声も上がっています。そこで、RPAを上手く導入する為のポイントをご紹介します。
【自動化したい作業量に見合う製品を選ぶこと】
RPAは月数万円、年間数十万円で利用できるデスクトップ型タイプから、大量の従業員による定型作業を自動化したいような大手企業向けに初期費用で数百~千万円のサーバ型タイプまで多種多様です。「数人で分担している作業の一部分だけを自動化したい」「数分だけれども毎日やっている作業を何とかしたい」など、小さな自動化については、デスクトップ型で十分実現することができます。自動化ニーズに見合う製品に選ぶとよいでしょう。
【業務を標準化すること】
まずRPAを導入する際には、自動化する業務を標準化する必要があります。 RPAは「魔法のツール」ではありません。繰り返し実施する定型作業であるにもかかわらず、ルールや手順を決めていないために属人化している業務プロセスが多い場合があります。単純作業でも人によって手順が異なっていたり、業務効率に差があったりする場合には、RPAを導入しても自動化することは難しいでしょう。「野良ロボット問題」を解決するためにも、まずルールや手順を見直し、文書化することが重要となります。
【自社で設定変更できるようにしておくこと】
導入後の運用体制についても考えておく必要があります。RPAの導入コストだけではなく、RPAの管理を行う人員が必要です。RPAは「初心者向け」と言われる製品であっても、全くの素人が扱えるようなものではなく、ある程度IT知識は必要です。導入当初は、ベンダーの支援や外部のコンサルタントに委託していたとしても、運用まですべて外部に丸投げしてしまうと、ちょっとしたシステムの変更や業務フローの変更などに対応できなくなります。些細なシナリオ(RPAが実行する業務手順書)の設定変更などは、自社でも行うことができるくらいの体制を敷いておきましょう。
・おすすめソリューション
開発元:株式会社Minoriソリューションズ
MinoRoboは、ロボットの「作りやすさ」と「安定動作」が大きな特長です。
マウス操作が主体のシンプルな画面で、ブロックを組立てるようにロボットが作成できます。
作られたロボットはオブジェクト認識で安定して動作。現場目線でのボトムアップ導入も可能な、デスクトップ型RPAツールです。
参考価格:850,000円(税別)/1端末年額