次のステップとして取り組みやすいのは「社員データの一元化」です。
前記事でもお伝えした通り、近年では採用難から、既存社員のパフォーマンス向上が益々重要視されていて、大企業を中心にタレントマネジメントシステムの導入が進んでいますが、まずは基本的な社員データを人事システムに集約し、一元化を進めることが必要です。
人事システムは人事管理システムとも呼ばれ、社員に関するさまざまなデータを管理しています。氏名、性別、住所などの基本情報から配置、処遇、給与計算、社内教育、昇格などの情報まですべてを一元的に管理することで、人事部門の業務を効率化できます。
人事システムは社内業務を効率化し、コストダウンできるシステムとして、大企業では以前から使われていましたが、最近では、中堅・中小企業でも、パッケージ化されたソフトやクラウドサービスのリリース、さらにはマイナンバー制度の施行によって、いろいろな企業で導入が広がっています。
今まで紙やExcelなどに分散されていた組織や社員データを集約し、勤怠や給与、異動などに関する履歴情報とともに蓄積していきます。社員データが一元化されることにより、検索性が高まりますので、必要なデータをすぐに入手することができるようになります。また、社員の個人情報や社内の機密情報を扱うため、紙やExcelのファイルよりも高いセキュリティが実現できます。例えば、ユーザーごとのアクセス権を細かく設定することで、パスワードや操作ログを管理することができるため、悪意のあるものからのアクセスも発見しやすくなります。
来週は社員データを活用した「タレントマネジメント」についてお話します。