2020年4月より、特定の法人について、社会保険・労働保険手続の電子申請が義務化されました。また、現在、新型コロナウィルス感染症の感染防止の観点からも、窓口に行かずに手続を行うことができる電子申請の活用が注目されています。そこで、今回は電子申請義務化の概要と電子申請の利用方法についてご紹介いたします。
■電子申請義務化とは?
政府は、民間事業者の生産性向上・働き方改革のため、事業者の負担感が強い行政手続コストを削減するための施策を打ち出しました。その中の一つが、社会保険・労働保険に関する手続の電子申請義務化です。2020年4月には、資本金が1億円を超える大企業等において、一部手続の電子申請が義務化されました。
https://www.e-gov.go.jp/mhlw/0310.pdf
■電子申請を行う2つの方法
電子申請に対応するには、2つの方法があります。
①e-Gov(電子政府の総合窓口)を利用する
e-Gov電子申請システムでは、様々な行政手続をオンラインで申請・届出を行うことができます。電子申請の利用料金は無料ですが、Windowsパソコンからのみ申請ができるという制約や、操作手順が複雑であることから、使いやすいとは言い切れず、作業が負担に感じられる可能性があります。
②e-GovとAPI連携しているソフトウェアを使用する
e-Govから直接申請を行うのではなく、e-GovとAPI連携しているソフトウェアを使用して、間接的に電子申請を行うことができます。①の場合、電子申請を行うには、労務会計ソフトウェア等で管理しているデータを参照し、e-Govに申請データを転記して申請を行う必要があります。また申請データの照会や公文書の取得はe-Govから行います。②の場合、労務会計ソフトウェア等に入力してあるデータを用いてそのまま電子申請を行うことができます。また、申請データの照会や公文書の取得も労務会計ソフトウェア等の中で行うことができ、①の電子申請方法と比較して大幅な作業負担の軽減を図ることができます。
https://www.e-gov.go.jp/help/shinsei/api_software/index.html
■まとめ
現在は、電子申請の義務化は特定の法人の一部手続に限定されておりますが、今後は電子化の流れが加速していくことが予測されます。例えば、2020年1月には、ハローワークの雇用保険適用窓口の時間が「8時30分~17時15分」から「8時30分~16時」に短縮されました。受付時間短縮の目的は、電子申請の利用促進の取組を加速するため、16時以降を電子申請による申請・届出の集中処理を行うということです。
ソフトウェアを使用して電子申請を行う場合、導入コストは発生しますが、多くのメリットを受容することができますので、この機会にぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
OBC社が2020年4月にリリースした新製品「奉行Edge 総務人事電子化クラウド」では、社会保険・労働保険の各種届出書の作成から電子申請まで行うことができます。従業員への連絡や進捗管理や、顧問社会保険労務士とデータを共有することができ、手続き業務全体の時間削減を実現できます。
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